うしおととら

TRPGには関係ないけど今読んでるマンガです。
そろそろクライマックスというところなんですが、ここに来て大激怒しております。
以降、ネタバレを含んでおりますのでこれから読まれるつもりの方は読まないことをオススメします。

うしおととら、とてもいいマンガです。
おもしろいです。
途中までは……
白面の者という大妖怪を倒すために造られた獣の槍と、その使い手うしお、それにうしおを食べようと取り憑いている妖怪とらが、力を合わせて数々の妖怪を退治したり、戦いを繰り広げながら旅をし、人間と妖怪の間をつなぐ絆としての役割を果たしつつ、自らの宿命である白面の者の打倒に挑むという内容なのですが……
最後の土壇場でありえないような行動を取り、自滅に向かっていくという……

数々の戦いを通じて自分の事より他人のことを思いやる心をさんざん描いてきたのに、

1:白面の策略によって「うしおととら」の記憶をこれまで関わってきて信頼関係を得てきた人間たちや妖怪たちが忘れてしまう。
2:白面が復活する日が近いと知り白面の封印されている沖縄に向かう。
3:白面を封印しているのはうしおの母親で、また旧友である真由子もそこにいるらしいので、2人をミサイル攻撃から守らなくてはならない。
4:自衛隊が白面に騙されて、封印を破壊するためのミサイルを積んだ潜水艦を白面のいる海へ進んでいく。
5:記憶が残っていたアメリカの科学者が時間稼ぎをしてくれて、潜水艦を遅らせてくれる。
6:自衛隊の戦艦(?)についても誰一人、うしおの言うことを信じてくれず、拘束される。
7:そのうしおを信じてくれた艦内の技術者が一計を講じてくれて、最新鋭の潜水艇に乗せてくれ、ミサイル攻撃より早く目的地へ着けるようにしてくれる。
8:そして攻撃より早く母親の元にたどり着く。

ここまではよいのです。
問題はこの後……

9:母親と会えた嬉しさから舞い上がりほのぼのとしたやりとりのうちに時間が経過する。
10:7、8で稼いだ時間を無駄にして、ミサイル攻撃が実行される。
11:白面の者、復活する。
12:うしお、激怒の余り我を忘れて暴走。母親の「憎しみで戦ってはいけない」という言葉を無視してビンタをくらう。
13:母親に叩かれた事でますます怒り狂い(これまで許してきた、自分を忘れてしまった者たちのことも急に根に持ち怒り出す)、白面の者にしゃにむに戦いを挑もうとする。
14:とらが白面にそそのかされたかつての戦友を殺した事でとらと決別する。
15:白面は憎しみをエネルギーとしてますます元気になる。

というあまりにありえない展開が……
どんなにむげにされても、ひどい扱いを受けても笑って許してきたうしおが、母親と会っただけで豹変してしまうのです。
それと、「白面の者にとって一番のエネルギー源は自らに対して人間や妖怪が抱く恐怖である」「獣の槍は憎しみだけでできており、決して恐怖しないために白面の者にとっての脅威となる」という前提を覆し、突然「白面は恐怖だけでなく憎しみをも自分の力とする」ことになってしまう。

というわけでこのはずくは激怒しております。
それまでとても楽しんで読んできただけに、作者をどなりつけたいくらい怒っております。
まあ、これ以降の展開でちゃんといい結末を迎えることを願って読みに行くつもりなのですが……